アロマ

 英国式アロマセラピーを本格的に学べる英国 IFA認定スクール
アロマ プランツ
 アロマプランツ 
アロマ
アロマ
最新情報 アロマセラピーとは? スクール 講師のご紹介 案内地図
アロマ

アロマ

             
 
〜 ジョゼフィーヌとばら 〜

 ホテルを出て曇り空を見上げながら、ガール・ドゥ・リヨン駅に向かった。RER線A1線 サン・ジェルマン・アン・レイ行きに乗り、リュエイユ・マルメゾン駅で降りた。心配だった雨が激しく降ってきた。どうか雨が止みますように、、、願いもむなしく益々激しく降ってきた。急いでバスに乗りこんだ。しばらくして、運転手さんがここで降りて右側に歩いていったほうがいいと親切に教えてくれた。小雨になってきた。パリの雨は降ってもすぐ止むことが多く、パリの人々は傘もささずに歩いている光景をよく見かける。木々や花が多い閑静な住宅街を歩いていく。ちょうど運良くプチトランがきたので、それに乗ってマルメゾン城の門のところまで乗ることにした。

   
マルメゾン城の入り口  マルメゾン城

 木々の中にその白亜の館は現れた。城というより館。パリの西郊外にあるマルメゾン城。18世紀末、バラに深い情熱を捧げた女性がいた。その名はジョゼフィーヌ。
 1799年、ナポレオンとナポレオンの皇妃ジョゼフィーヌが購入し、ナポレオンと離婚後もジョゼフィーヌは1814年永眠するまで生涯マルメゾン城で過ごした。
 ジョゼフィーヌはナポレオンに離婚を言い渡され、失意のどん底にあったであろうと推測するが、ナポレオンの二番目の妃であるマリー・ルイーズの為にオールドローズであるダマスクローズの品種から生まれたバラを『マリー・ルイーズ』と命名し、彼女に捧げたのだった。
その『マリー・ルイーズ』のバラに会いにマルメゾンを訪れてみたいと以前から願っていた。もう7月なのでバラは咲いていないかもしれないと思ったが、もしかしたらというかすかな期待をもった。
 門の前に少したたずみ、中に入って行きぐるっと回ると、マルメゾン城の裏は森になっていた。森の奥に歩いて行こうとしたが、また雨が降ってきたので先に館内を観ることにした。館内を見終わった頃は止んでいるだろうと期待を抱きつつ、、、
 今日は雨のせいか館内には人はあまりいなかった。マルメゾン城にはいたるところにジョゼフィーヌとナポレオンの栄光時代の肖像画があり、その中にはジョゼフィーヌとの一緒の肖像画もあった。絵の中でナポレオンと一緒にバラを持ち、微笑むジョゼフィーヌ。当時の幸せだった日常を垣間見たような気がした。1.2階にナポレオンとジョゼフィ−ヌの過ごした部屋、3階には家具、調度品、衣装が公開されている。館内にはジョゼフーヌの遺品が数多く展示してある。JとNのイニシャルが入っているワイングラスやばらの絵皿もあった。特に印象深かったのはジョゼフィ−ヌが愛用していた化粧箱である。化粧箱の中にナポレオンの写真がはめ込まれている。愛してやまないナポレオンであったのであろう。毎日どんな想いで見つめていたのだろう。 

      
ジョゼフィーヌの寝室
ナポレオンとジョゼフィーヌ
ジョゼフィーヌの化粧箱
 
ジョゼフィーヌ バラと花々の絵皿 ジョゼフィーヌの肖像画


 館を出て、バラ園に向かった。幸運にも雨は上がっていた。
 リンデンの林がずっと続いている。まるで当時の森に迷い込んだようだ。リンデンの花の甘く、優しく、さわやかな香りが漂う中しばらく散歩を楽しんだ。

リンデンの林


 リンデンの林をしばらく行くと、バラ園が見えた。オギュスト=ルイ・ガルネレーの書いた『マルメゾンの庭』の絵とは違っていたが、確かに『ジョゼフィーヌとバラ』としるされている。夏が始まり、ほとんどのバラの花は散っていたがローズヒップの赤い実が見事だ。ロサ・ケンテフォリアのピンクのバラだけが雨の中きれいに咲いている。そーっと顔を近づけて香りをかいで見る。いい香りがする。アロマセラピーで使用する精油もこのバラから採れる。

      
バラ園 ローズヒップ ロサ・ケンテフォリアのバラ


 『マリー・ルイーズ』のバラはどこに咲いているのだろう。一つ一つのバラのネームプレートを見ながら探した。あった!思わず叫んだ。見つけた。やっと出会えた感動にしばらく浸っていた。だが、残念ながらもう花びらは茶色に変化している。しかし、確かに『マリー・ルイーズ』とネームプレートに記されている。ダマスクローズから生まれた『マリー・ルイーズ』。咲いている時はきっといい香りがしたであろう。

   
マリー・ルイーズのバラ ネームプレート


 ナポレオンから離婚を告げられた時、ジョゼフィーヌは気絶したそうだ。そんな彼女がどうして夫を奪った女性にバラを送ることができたのだろうか。離婚してからバラに生涯を捧げたジョゼフィーヌは『マリー・ルイーズ』のバラをどんな想いでマリー・ルイーズに送ったのだろうか?
 今、目の前の雨にうたれるオールドローズの庭を眺めていると、ジョゼフィーヌの想いが伝わってくるようだ。雨が激しく降ってきたので、大きなリンデンの木の下で雨をしのぐことにした。

リンデンの木


 18世紀後半、バラ園には約250種類のバラがあり、ジョゼフィーネは世界各地からバラの品種を集め、バラの交配を盛んに行い新種を生み出していった。後年のマルメゾン城のバラ園には東西の品種から生まれたブルボン・ローズ、ポートランド・ローズ、ノワゼットローズなど数千種類のバラがあった。ジョゼフィーヌは今日のバラの基礎を築いた。といっても過言ではない。今日あるローズガーデンを最初に造ったのもジョゼフィーヌだ。ジョゼフィーヌは何故それほどまでにバラに魅了されたのだろうか。
 洋書『Botanica’s ROSES』に『マリー・ルイーズ』のバラの写真がある。この花は濃いピンクで華やかだ。幾重にも花びらが重なっていて、すばらしい香りで満たされると記されている。ダマスク系の香りが漂ってくるようだ。一方、バラの画家と言われるピエール=ジョゼフ・ルドゥテの描いた『Les Roses』にジョゼフィーヌの亡き後、ジョゼフィーヌに捧げられたガリカ系オールドローズ『エンプレス・ジョゼフィーヌ』を描いた絵がある。花びらはゆるやかにウェーブを描き、気品に溢れ優雅である。高貴で豊かな香りを感じさせる。
 約200年前、ジョゼフィーヌのバラ園はたくさんのバラの香りに満ち溢れていたに違いない。ジョゼフィーヌが永眠の時、香油がかけられピンクのサテンの服に包まれたと言う。
 ジョゼフィーヌもオールドローズのややうつむきかげんに咲く繊細でたおやかな、それでいて華やかで、さまざまな表情を持つ花びら、豊かな芳香を放つバラに魅了されたのではないだろうか。 

text & photo by Masako Kawasaki
南仏プロヴァンスの時間は・・
オーストラリア便り 
イギリス 産婦人科病院から     
ジョゼフィーヌとばら 
南仏プロヴァンス ラヴェンダーの旅 
イギリス コッツウォルズ便り

アロマ プランツ
Copyright(c) 2007 AromaPlant Co.Ltd.All Rights Reserved.
アロマ
アロマ
アロマ